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店舗開業は船出の様なもの

船出イメージ

行先不明の船にお客様は乗船しない

「お店を始めたいんです」
そう相談を受けるたびに、私はいつも同じイメージを思い浮かべます。

それは、海に船を出す姿です。

店舗開業は、よく第二の人生の挑戦と言われますが、私は「船出」にとても似ていると思っています。
なぜなら、準備不足のまま出航した船が、無事に目的地へ辿り着くことは至難の業だからです。

船の大きさ=店舗に置き換えると広さ

まず分かりやすいのが、船の大きさ。

大型船、中型船、小型船、手漕ぎボート。
当然ですが、船が大きくなればなるほど、多くの人が乗れますし、たくさんの荷物も積めます。
その代わり、燃料も多く必要で、維持費もかかります。

これを店舗開業に置き換えると、

  • 船の大きさ = 店舗の広さ(坪数)
    大型船・・・大規模商業施設
    (メリット;豪華、一度動き出せば揺れの少ない安定した航海、デメリット;購入費用が高い、初動が重い、燃料が多い、ブレーキをかけてもなかなか止まれない)
  • 中型船・・・スーパー
    (メリット;適度な力で動く、気取らなくてもよい、デメリット;どっちつかず)
  • 小型船・・・個人商店
    (メリット;購入費用が安い、専門性が高い、小回りがきく、燃料代が軽微、デメリット;悪天候に弱く揺れやすい、一定以上の波で転覆しやすい)
  • 手漕ぎボート・・・無店舗個人事業主
    (メリット;身軽、固定費がかからない、デメリット;人の目に気づかれにくい、悪天候に弱く揺れやすい、一定以上の波で転覆しやすい)
  • 乗船人数 = スタッフ数+客数
    大型船・・・1000人以上
    中型船・・・500人以上
    小型船・・・100人以下
    手漕ぎ・・・2人程度
  • 維持費 = 家賃・人件費・固定費
    大型船・・・〇〇千万円
    中型船・・・〇〇百万円
    小型船・・・〇〇十万円
    手漕ぎ・・・〇〇十万円

に例えられます。

「大きい店のほうが成功しそう」と思われがちですが、
実際には身の丈に合わない船を選ぶことが、最も多い失敗原因だったりします。

運転する女性

コンパス=店舗コンセプト

船が海を進むために必要なもの。
それがコンパス。

コンパスがなければ、今どこへ向かっているのか分かりません。
風や波に流されるまま、気づけば全く違う方向へ進んでしまいます。
(店舗で例えると行き当たりばったりの成り行き任せ)

店舗で例えるとこれはコンセプトにあたります。

  • 何を一番の価値として提供するのか
    (その商品は何か!?)
  • どこでそのお店をやるのか
    (その立地は希望のお客様が来てくれる場所なのか!?)
  • 誰のためのお店なのか
    どんなお客様に来てほしいか!?)

これが曖昧なお店は、
「流行っているから」「他がやっているから」と風に流され、「自分だけは絶対に大丈夫!」と根拠の無い自信。
いつの間にか自分でも分からない店になってしまいます。

コンパス=地図=開業計画書

コンパスだけでは、目的地には着きません。
どこに浅瀬があり、どこに嵐が多いのか。
それを知るために必要なのが地図です。

開業でいう地図は、開業計画書にあたります。

ビジョン、売上計画、資金計画、スケジュール、リスク管理。
これらは「夢を縛るもの」ではなく、
無事に航海するための安全装置

地図を持たずに出航する船は、
「自由」ではなく「無防備」なだけ。

燃料=粗利益

どんな立派な船も、燃料がなければ止まります。
エンジンが動かなくなれば、海の真ん中で立ち往生です。
< =難破船です。>

店舗でいう燃料は、粗利益

ここで大切なのは、
「売上がある=安心」ではないということ。

燃料タンクに入るのは、売上そのものではなく、
残るお金<粗利益>です。

黒字なのに苦しい、忙しいのにお金が残らない。
これは燃料設計を間違えた船と同じ状態。

船の選択を間違えて大きい舟で出航する時(予定より広い店舗を借りてしまった時)に、そこまでの燃料代がまかなえず、次の港までの燃料だけを補給して出航した時に、何かしらのトラブルや天候不良で燃料を予想以上に使ってしまい、海の真ん中で止まってしまい・・・難破船となってしまいます。

難破船イメージ

港=立地と商圏

人や物が集まる港なのか、誰も乗降しない港なのか。

店舗で言えば、これは立地と商圏

どんなに良い船でも、
どんなに良いコンセプトでも、
立ち寄る港選びを間違えると苦しい航海になります。

そこで燃料補給を予定していたものの燃料調達ができない!となってしまうと燃料補充するまでその港からなかなか出港できません。

目的地=「何屋さんか」

そして、最も分かりやすいもの。
それが目的地

私はいつもこう伝えています。

「目的地の表示がない船には、ほぼ誰も乗りません」

この船はどこへ行くのか。
何を目指しているのか。
誰を連れていくのか。

これはお店で言えば、

  • 何屋さんなのか
  • 誰のためのお店なのか
  • そのお客様にどんなハッピーを与えられるのか

という問い。

目的地を決めずに出航すると、
「とりあえずやってみる」航海になります。
その結果、多くの船が途中で燃料切れ(経営では資金ショート)を起こし、破綻してしまいます。

あなたは今、どの船で出航しますか?

大型船が良いわけでも、
小型船が悪いわけでもありません。

大切なのは、
自分の身の丈に合った船(店舗)で、明確な目的地(繁盛店)に向かうこと

  • 船の大きさは適切か
    (身の丈にあった適切なサイズの店舗か)
  • コンパスははっきりしているか
    (コンセプトは明確か)
  • 地図は描けているか
    (開業後のシナリオ(計画)は見えているか)
  • 燃料は足りているか
    (例え片道の予定でも往復分くらいの資金はあるか)
  • 十分な食料はあるか
    (お客様をおもてなす食料やスタッフのまかないなどは充分か!?)
食料やスタッフのまかない

これを出航前に確認することが、
開業を成功に近づける一番の近道。

開業を成功に近づける一番の近道

最後に

店舗開業は、勢いだけで乗り切れるほど甘くはありません。
でも、正しい準備をすれば、
決して怖い航海でもありません。

準備をしっかりと行い勇気をもって出航できる人にしか見る事のできないシ・ア・ワ・セが待っています。

目的地を決め、
地図を持ち、
燃料を積み、
自分に合った操縦しやすい船で出航する。

それができれば、
開業という船出は、きっと実りある旅になる。

リード・クリエーションは繁盛店へとあなたを運んでいきたいと思います。

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