建築物・建築デザイン探訪〜福岡県田川郡福智町ふれあい塾の建築物
27年ぶりに再訪!憧れの建築物・建築デザインに再会
広大な敷地の芝生に建つ三角トラスのユニークな建築物
約20数年程前にマイブームだった建築巡り一人ツアーを休みの日によく行っていましたが、久しぶりに訪れたい場所を思い出し行く事に…。
そこは福岡市内から約1時間半くらいかかる福岡県田川郡福智町にある「ふれあい塾」です。
27年前に初めて訪れて以来です。
その建物は、福岡paypayドームに匹敵する広大な敷地の芝生の中に三角トラスの形状で丘から突き出ている建て物が3棟並んで建っている建築物、というものでです。
素直に「カッコイイ建築物」という印象です。
当初は建築の専門雑誌で知る事となり、「こんなカッコイイ建築が自分が住んでいる近郊にあるのならば実物を観に行かなくては!」と思い立ち、休日を利用して訪れたのです。
設計者は、九州が誇る世界的建築家〝葉祥栄〟さんです。
建物の構造的な美しさが特徴的で、九州では「小国ドーム(熊本)」「福岡市営地下鉄七隈線天神南駅」などの建築物が点在しています。
※建築家「葉祥栄」〜フリー百科事典ウィキペディア(Wikipedia)
ふれあい塾のこちらの三角トラス建築物の竣工は、1992年(平成4年4月)で今年で29年目。
4つのトラス型の建物には 大地・山・海・空・プリズムという名の名称が付いています。
それぞれに多目的棟、研修棟、女子宿泊棟、男子宿泊棟に分かれていて、キャンプ場や敷地の下の方には温泉施設もあり、ロケーションも申し分ありません。
築30年近くたった今でも当初と変わらない姿で再会!
(福智町ふれあい塾 全景写真)
三角屋根は、ガルバニウム鋼板(※)を採用しているようで、30年近くたった今も当初と何ら変わらない姿です。
(色あせは否めませんが、味が出ています)
※ガルバリウム鋼板とは、JIS規格では「溶融55%アルミニウム-亜鉛合金めっき鋼板」と呼ばれ、55%のアルミニウム、43.4%の亜鉛、1.6%のシリコンから構成された、アルミ亜鉛合金めっき鋼板です。アルミニウムの特徴である「耐食性・加工性・耐熱性・熱反射性」と、亜鉛の特徴である「犠牲防食機能」により、従来の鋼板よりも耐久性に優れ、あらゆる用途に対応できる画期的な鋼板です。
丘の上(地面)に接している部分は建物の長さの3分の1くらいで建物の半分以上が空中に浮いています。
よく保っていますね。
これは建築業界でよく使う工法で、〝キャンチレバー工法〟と言われる技術で地中の見えないところに土台を埋めていてバランスをとっているやり方です。
超簡単に書けばこんな感じで建物を保っています。
それにしても美しいフォルムです。
画像では伝わりにくいかもしれませんが、実際に現場で観ると「うっとり」してしまいます。
個人的には昔から、カーブ(アール)が目立つ建築物よりも直線的な建物の方が好きで、この建物も直線のみで形成されています。
しかも三角形という最小直線数の箱(立体物)です。
建物内装・内観の長手の方に窓はなく、建物の両サイドに大きな窓があり採光はそこのみですので、自然光がやんわり差込みいい感じの雰囲気を演出しています。
葉先生の建築は、内観の光の取り込み方などよく計算されていますので、非常に勉強になります。
今回は内観の写真はありませんが、ネット検索でたくさん見る事ができますので、ご興味がおありの方は是非覗いてみてください。
こちらの看板もトラス型のキャンチレバー方式です。
いいですね。
今回は、まだ肌寒い3月の訪問となりましたが、季節の良い夏の時期には広大は芝生が青々と茂っているのではと思います。
またチャンスがあればその時期に来てみたいと思います。
ご興味ある方は是非訪れてみてください。
<ふれあい塾>
福岡県田川郡福智町神崎1094-1
福智町役場ホームページ〜ふれあい塾
荒井 マモル