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荒井 マモル

【店舗開業は船出】 〜あなたの船はどんな船?〜

店舗の開業は、大海原に出港する『船出』

店舗の開業は、大海原に出港する『船出』に例えることができます。

店舗開業=出港。

港を出港して、大海原に乗り出していくわけですね。

 

店舗の運営・経営は、大海原を航行する船の航海。

一度港を出港すると、これから長い航海が始まります。

 

船の航海でも長い航海を乗り切るためには、出港する際に様々な準備が必要になります。

では、店舗開業(出港)するまでに「どんな事が必要になっていくか」を、船の出港に例えて考えてみたいと思います。

 

 

今回は、店舗の大きさ(事業の範囲)を、船の大きさに例えて解説します。

用途や航海範囲、貨物の積載量、乗客人数などにより、船の種類や大きさが変わるのと同様に、店舗も事業の範囲や提供するサービス内容により大きさや設備が変わります。

 

あなたが、これから運営・経営する店舗の大きさと置き換えて考えてみましょう。

 

 

長い航海のための出港(店舗開業)準備〜計画

当たり前ですが、まずは「船に乗船してくる(来店する)お客様のおもてなし」について計画します。

船で、どんなサービスでお客様をもてなし「お客様の心」を満たすのか?

お店に言い換えると、提供する「商品・サービス」です。

独立・開業する大半の方々は、提供する「商品・サービス」ありきで独立・開業を目指すと思います。

商品やサービスによっては、競合他店との差別化やセールスポイント、価格設定などを考察します。

 

次に、どんなお客様(客層・業界)に乗船してほしいか!

あなたのお客様(ターゲット)は富裕層なのか、それとも若20代の若者か、一般的なサラリーマン?、高齢者なのか、男性メインなのか、女性メインなのか?

などを絞って決めていく事が必要です。

 

次に、航海のルート(お店に置き換えると地域)を決めていきます。

求めるお客様の層に合わせて、航海する場所(出店するエリア)も変わります。

港を出てどのルート(1年後の目的地(状態)・3年後の目的地・5年後の目的地など)を通ってどの港(地域)に寄って燃料や食料(資金)を補給するのか?

<次の港に乗船希望のお客様が待っている>

 

そして、航海するには、何をおいても「船」が必要です。

店舗運営・経営でいうところの「船」は「店舗」に置き換えられます。

 

乗船するお客様の性別、年齢層、提供する商品やサービス、航海のルートをもとにして「理想の船」を製造しなければなりません。

理想の船(店舗)を造船所(店舗内装・店舗デザイン会社)に依頼してつくるわけです。

 

造船を依頼するためには、まず資金が必要となります。

開業資金が潤沢にあり、全てを自己資金で補えることができるならば問題ありませんが、自己資金率に拘わらず、店舗の開業やスタートアップの9割以上の方々が、金融機関からの融資を受けられています。

 

まずは、「船を出航させたい」という「自分の夢」に向けて、コツコツと資金を蓄えることが重要です。

なぜなら、「コツコツと貯蓄をしている」ということは、「融資」を申請する金融機関からの「信用」や「事業への熱い想い」としての評価に繋がるからです。

 

 

航海のための「理想の船」づくり

ここからは、提供する商品やサービス、航海のルートによる船のカテゴリー別に、特徴や注意する点、〈メリット〉〈デメリット〉などの詳細をお話ししたいと思います。

⬜︎二人乗ボート(マンツーマン対応の店舗)

<メリット>
・小さくて良い
・軽量
・コストが安い
・方向転換がスムーズに行える

<デメリット>
・軽量なので波に流されやすい(荒波になると転覆しやすい)
・手動だと推進力が弱い(売上が低い)
・積荷を多く乗せられない(ストックルームなどが設けられない)

 

手漕ぎボートは風情があって良いところもたくさんありますが、同じ海を航海する自分の船よりも大きな船が近くを通過するとその波で自分のボートの揺れが激しくなり不安定な状況になります。

(自社よりも大きな競合他社の影響を受けやすい)

最悪な場合はその影響を受けて転覆します。

 

 

⬜︎  20人乗りクルーザー(小規模店舗)<個人事業向き店舗>

<メリット>
・ 比較的軽量
・設備が充実している(エンジンやGPS,魚群探知機などを搭載)
・適度にスピードが出せる
・少人数のスタッフと少人数のお客様が複数人乗船できる
・エンジンを搭載しているので推進力がある・2階建も可能

<デメリット>
・コストが上がる
・メンテナンスが必要
・方向転換はスピードとその遠心力に左右されやすい
・燃料を消費する
・波の影響を受けて船酔いするかもしれない

 

小型でもクルーザーであれば、お客様はそのカッコよさに「乗ってみたい!」と直感的に思う人も多いかと思います。

その理由として考えられる事は、一般にクルーザーに乗って楽しむ人はごく一部の方のみで、その他の多くの人たちはそこには〝非日常〟があり、「私も是非その楽しさを体験したい」という思いが要因の一つとしてあげられると思います。

店舗に置き換えると「お店に行けばきっと何か楽しい事が待っている!」と思ったり、心が満たされる体験があったり…

そこが店舗の魅力。

お客様の〝ワクワク〟をいかに事前に伝えてお客様の気持ち(モチベーション)を持ち上げるかという事を店舗従事者は考える必要があるという事です。

その為に「このお店に来てもらえればこんな事(特典)があります!」の情報発信を絶えずする事が求められます。

言い換えると【集客】です。

17人集客して3名はスタッフとした時に、17人から乗船代を頂いてその中から燃料費や食べ物にかかる費用や人件費などを賄うわけですね。

そして、その航海が満足だったお客様は「また来たい!」や「〇〇さんに紹介したい」となり次のお客様となっていきます。

逆に対応が悪ければ、「もう行かなくていい」となりますね。

そうならない為に日々 店舗従事者は頑張っていますね。

 

 

⬜︎  大型客船(大型店舗)<チェーン店など>

 

<メリット>
・船体が大きいので少々の波では揺れを感じない
・楽しめる場所(エンターテナー)が豊富・乗員(スタッフ)が多いので役割分担ができる
・高いところ(様々な場所)からの眺望を楽しめる
・お客様同士のコミュニティで出会いが多くある
・都心の大きな港に停泊が可能・車などの乗船も可能

<デメリット>
・コストがかかり乗船代も高額になるケースがある
・メンテナンスが大変・方向転換は大回りになり時間がかかる
・時に小型船の牽引が必要な時がある
・燃料消費が大きい
・小さい港には寄港しづらい(浅瀬は不可)

 

大型客船となるとその造船費用は莫大ですね。

一般的にはかなり難しいですので大手企業が造るケースがほとんどです。

しかし莫大な投資をするとそれ同等かそれ以上に利益をうむ事は想像しやすいかと思います。

乗員数などは予め計算していますので、回収できる見込みでどういう風に営業をやっていこうといったことを多くのスタッフと協議しながら最終的に経営者が決定していきます。

そして、大型客船を操縦する船長がどのお客様にも満足して船旅を楽しんでいただける様にスタッフと共に安全に目的地まで案内していきます。

 

さて、あなたの船はどのタイプでしょうか?

上記の様な設定条件によって造る船の大きさやスタイル(デザイン)、費用などが全く変わってきます。

店舗をつくる際に私どもによくある質問で早い時期の段階で「お店を始めたいのですがいくらくらいかかりますか?」という質問をよく受けます。

が、上記の様な事がある程度わからないと実際には金額(見積り)が出せません。

 

 

 

いよいよ出港!船出(店舗開業)です!

今までどこかの船(お店)のスタッフとして乗船していたと思いますが、これからはあなたの船であなた自身が船長(キャプテン)として大海原に出ていくわけです。

どんな船でどこの海に行き、お客様をどこの港で乗せどんなエンターテイメントを行いその船(店舗)でどこまで(向こう何年間)海上を走るとお考えですか?

長年の間には、途中定期的なメンテナンスや何年かに1度の改修(店舗の場合は改装工事)なども想定しておく事が必要かと思います。

乗せたいと思う乗客が日本人相手なら日本の海を航海すると思いますが、日本人相手と考えていて、遠洋などに行ってそこばかり(ターゲットがいない場所)で航海すると日本人のお客様はほぼいないかと…。
(全く0ではないと思いますが))

 

その結果自分の思った(日本人相手の)事業ができずに売上が上がらないと悩む経営者も少なくありません。
(こんなはずじゃなかったと・・・)

 

そうならない様に事前の準備は重要です。

 

 

船出(店舗開業)に必要なモノ

⬜︎船(店舗)

⬜︎燃料(資金) 

⬜︎地図(目的・目標)

⬜︎コンパス(開業計画書・経営指針書)

⬜︎船員(スタッフ)

⬜︎行先表示(看板・お客様の得たい商品やサービス告知)

 

いくら立派な船が造れたとしても、乗るお客様がいなければ宝の持ち腐れになってしまいます。

 

例えば行先不明(店舗で言えば看板がないお店)の船で、いつ戻ってこれるかもわからない様な何も記載していない船に乗りたい人がどれくらいいるのかを考えると、まずほぼいないと思います。
(よほど時間とお金に余裕があるミステリーツアーが好きな人は別かもしれません)

多くの人は、行先と金額、おおよその時間などがわかった上ではじめて乗船(入店)するかと思いますので、そこをハッキリと船(店舗)に興味のあるお客様に表示することで安心して船に乗ってくるのだと考えます。

 

私たち (有)リード・クリエーションは、最初に船長が思う「その船をどうやってつくって、どうやって資金を調達したらいいのか!?」などの相談から受けて水先案内をさせて頂いています。

少しでも何かわからない事などあれば是非お気軽にお問い合わせ頂ければと思います。

親切丁寧に目的地(繁盛店になる)までご案内致します。

 

<荒井 マモル>

 

 

 

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