店舗デザインの看板・サイン製作裏側〜インクジェット出力マシン編〜
飲食店・カフェや美容室・サロンの店舗デザインの看板・サイン製作の裏側〜インクジェット出力マシン編〜
ここ10年以来、急速に普及・進化を遂げているのが、店舗や施設の看板・サイン制作の際に使用するインクジェット出力マシンの技術です。
インクジェット出力機の技術自体は、デスクトップパソコンが普及するのとほぼ同時に、データ等のプリントアウト用として一般のオフィスや家庭用に各メーカーが製造しており、皆さんお馴染みのPC周辺機器ですね。
年賀ハガキは暑中お見舞いなどを各ご家庭でプリントアウトしていると思います。
私たち店舗デザイン会社や店舗内装・外装の設計施工会社が取り扱うプリンターといえば、インクジェットプリンターの業務用版です。
様々な素材に印刷することができ、且つ、「早く」「キレイ」に仕上がる、という優れものです。
店舗デザイン会社や店舗内装・外装の設計施工会社は、インクジェットプリンターの業務用マシンを取り揃えた看板・サイン制作専門会社の技術をお借りして、お店の看板・サインの製作を行い設置させていただいています。
では、業務用のインクジェットプリンターって、いったいどんなものなんでしょう?
通常は家庭用プリンターもしくは職場で使用されているオフィス用のプリンターを想定されるかもしれませんが、看板・サインのサイズを思い浮かべてみてください。
とても一般的なプリンターのサイズでは厳しい…と想像できます。
『百聞は一見にしかず』という事で、まずは動画をご覧ください。
こんな感じで様々な看板・サインのデザインをインクジェット出力(プリントアウト)しています。
どうです?
プリント出力機、インクジェット出力マシン…デカいでしょう!
インクを吹き付ける「プリントヘッド」が、一般的な家庭用プリンターと比べるとかなりデカい!
幅2m程のマシンを、右から左へ移動しながらインクを吹き付けています。
インクカートリッジもデカい!
でも、一般的な家庭用インクジェットプリンターとサイズは違えど、技術原理はほぼ同じなんですよ。
ご家庭用のインクジェットプリンターをお持ちの方は、インク交換の際にでも観察してください。
動画では、実際に制作する看板・サインの色味確認の為のサンプル出力でしたので、A3サイズの大きさになっていますが、本番は店舗の看板・サインですから、出力する機械も相当に大きい。
当然大きなサイズでのプリント出力ですので、実際に現場で見るとかなり迫力あります。
私たち店舗デザイン会社は、主に店舗の看板・サインとして現場に設置した時の完成形をイメージ(想像)しながら、ビジュアルはパソコンソフトでデザイン制作ソフト(例えばAdobe illustrator)を使用してデザインデータを作成します。
その店舗の看板・サインのデザインデータを、看板・サイン制作専門会社にデータ入稿して、大型のインクジェットプリンターにパソコンを介してデザインデータを送り、糊付の専用シートにプリント出力します。
仕上げに耐久性アップさせるラミネート加工を施します。
そして、プリントアウトされた糊付の専用シートを看板・サインのアルミ複合板やアクリルなどの本体盤面に貼り付け、看板・サインのビジュアル面を仕上げます。
普及・進化を遂げているインクジェット出力機の技術。
おかげさまで、店舗の看板・サイン製作日数の短縮につながっています。
さらに、インクジェット出力はフルカラー対応ですから、シズル感を演出したい調理写真を使用した看板・サインや複雑なデザイン画像でも忠実に再現できます。
また、インクジェット出力マシンの普及で、機械そのものの値段が安価になり出力コストが低下したことで、それまでは、看板・サインの制作時の主役は「カッティングシート!」とされていた事が多かったのですが、最近では〝インクジェット出力シート〟を採用しよう!という案件が増えています。
現在、街の看板・サインを意識して見渡してみると、相当な確率で「インクジェットシート」を用いた看板に遭遇するのはそんな理由からです。
インクジェット出力の利点は他にもあります。
マシンの種類にもよりますが、専用のシートのみならず鉄板、材木、プラスティックなど(厚みが約5㎝以内)のものであれば、ほとんどのモノにプリントできるという機械もありますので、アイデア次第でいろんな応用ができます。
この素晴らしい技術を活かせる「店舗デザイン」や「店舗の看板・サインデザイン」をこれからも考えていきたいと思います。
※美髪&縮毛矯正専門店「HAIR SALON CREE」の店舗竣工画像へ
< 荒井 マモル >