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店舗内装工事見積書の「諸経費」ってなんですか!?

店舗内装工事〈一般的な内装工事の見積項目〉について

店舗内装工事の見積書を提出して一通りご説明が終了した際、最後によく聞かれることが『会社諸経費』という項目です。

今回は、その『会社諸経費』にフォーカスして話を進めさせて頂きたいと思います。

その前に、まず、店舗の新装工事の見積書で、一般の方が見ても分かりづらい項目がずらりと並びますので、どんな項目が並ぶかをお伝えします。

これは「建築業法」にのっとった、一般的な見積り項目です。

見積書項目の順序は、会社により多少異なりますが、一般的には実際の工事手順の「順番が早い工種」から見積り項目として明記します。

 

<一般的な内装工事の見積項目>

1.表紙・・・・・・・・・・・・宛名、工事概要、トータルの工事金額を明記しています。

2.大項目・・・・・・・・・・・3.仮設工事〜17.会社諸経費の小計金額を集計した表です。

3.仮設工事・・・・・・・・・・現場で必要な仮設資材費などを計上します。

4.組積工事・・・・・・・・・・内外装でブロックを積み上げる工事費に該当します。

5.左官工事・・・・・・・・・・モルタルや塗壁工事などがメインの工事です。

6.金物工事・・・・・・・・・・金物で製作して現場に取付ける工事です。

7.木工造作工事・・・・・・・・主に大工さんが行う木工を利用して製作する工事です。

8.建具工事・・・・・・・・・・鋼製建具、木製建具に分類されます。扉を付ける為の工事です。

9.塗装工事・・・・・・・・・・塗装の工事です。

10.硝子工事・・・・・・・・・・硝子やミラーなどを取付ける工事です。

11.什器備品工事・・・・・・・・・・家具や備品などの工事です。

12.テント・サイン工事・・・・・テント、看板などを取付ける為の工事です。

13.電気設備工事・・・・・・・・照明器具やコンセントなどを取付ける為の工事です。

14.給排水ガス衛生設備工事・・・給排水・ガスの配管工事やトイレなどを設置する工事です。

15.空調給換気設備工事・・・・・エアコン取付や、給気換気を取付ける工事です。

16.設計費・・・・・・・・・・・店舗をつくるに当たり、デザインと工場で製作する家具図や工事に必要な図面を作成します。

17.会社諸経費・・・・・・・・・一般管理費という記載もあります。→解説していきます。

 

一般の方が見て頭がどうにかなりそうなくらい複雑な内容だと思います。

もう一つ建設業法に載っている見積書の作成の方法として、〈工事箇所で分類〉する提出方法があります。

◾️表紙

◾️天井工事

◾️壁面工事

◾️床工事

一見、〈工事箇所で分類〉する方が単純で分かり易いかと思われがちですが、例えば「天井工事」の項目一つでも、その内訳で更に細かく明細を記載していく事が多くなり、作成側としては、見積り拾い漏れの懸念が出てきます。

対して、〈一般的な内装工事の見積項目〉の方が、見積りの積算が容易で間違いも起こりにくいとされていて、ほとんどの会社で〈一般的な内装工事の見積項目〉での見積りを採用されているようです。

 

〈一般的な内装工事の見積項目〉の見積り方法で、一工種の見積書を「1ページ」と設定しても、全部で17ページくらいになります。

普段聞きなれない言葉や難しい単語も多くあり、複雑で、人にも依りますが、最初の全体金額を見たら、後のページは、分からないが結え、スルーされる方も多くいらっしゃいます。

 

私たちが見積書を作成する際、できる限り「専門用語」ではなく、一般的な用語も混ぜながら、施主に分かりやすい言葉で表記するよう心がけています。

また、見積書の文字と数字だけでは理解しがたいこともありますので、図面と見積書をリンクさせてご覧に入れる取り組みもしています。

特に細かな備品などには、図面に番号や記号をつけ、見積書の該当する項目にその番号や記号を付け、見積書の項目が図面の「どの部分に当たるのか」を追いかけられるようにすることで、分かり易くなります。

 

 

店舗内装工事お見積書の「会社諸経費」について

それでは、本題に入ります。

見積書の説明をさせて頂く際に、よくある質問で、

「会社諸経費」ってなんですか?

とよく聞かれます。

一般的に、私たちが日常で買い物をする時、商品には○○円という「価格」が必ずついています。

そして、その多くは「定価」のあるもので、それに対して他店と比べて、「高い」「安い」という比較によって購入を決定していますね。

実は、その価格にも必ず「会社諸経費」というものは含まれています。

「会社諸経費」は、よく内容が見えないから、ここで「利益を必要以上に取られているんじゃないか?」と、勘繰られる方も少なくないですね。

設備でもなく材料でもない、この「会社諸経費」という項目を、「よく分からない」という理由で、「この金額は認められない」と、値引きの対象にあげる方も過去に多くいらっしゃいました。

 

しかし、大変申し訳ないのですが、「諸経費」という項目は、なくす訳にはいけません。

私たちも企業ですので、当然その「価格」の中に「利益」も含まれています。

「利益」がないと、そもそも会社を存続させていく事もできません。

会社を存続することで、ご縁あってつくらせて頂いたお店の「メンテナンス」に、お伺いする事ができる、という意味も含まれています。

 

では、「会社諸経費」とは一体何なのでしょうか。

それでは、私たちリード・クリエーションの見積書の「諸経費」の内訳をお伝えしましょう。

 

 

リード・クリエーションの「諸経費」内訳

「会社諸経費」は、主として『現場を安全に且つ円滑に進めるための経費』です。

「諸経費」には、下記のものが含まれています。

■運搬費・・・・・・現場で必要な資材を工場から現場に運搬する経費などです。木工所から塗装工場へ家具を運搬する経費も含まれます。
(運搬費を「各工種毎」に記載する会社もあります。)

■現場経費・・・・・現場での作業員に必要な経費です。
(現場に設置する「安全注意時事項」の掲示物、職人さんに指示する為の図面、通行人などの第三者障害を防止する為のコーンやバリケード材、交通誘導費、車輌の償却費、ガソリン代、現場での駐車場代、作業員の衣服代(作業着代)、ヘルメットや安全帯など消耗品費、などなど。

■会社経費(一般管理費)・・・・・事務所でその物件に関しての作業に必要な経費です。
細かくは、事務所の家賃、現場写真のまとめ作業、図面作成に必要なパソコン、プリンター、コピー機の使用などの事務用品費、契約書作成に係る費用、作業にあたる時間の事務所の水道光熱費、打合せの際の交通費、労務管理、会社内での事務処理費、(経理の方の経費・・・請求書発行や業者への支払い事務処理に関する費用などなど)

 

主に上記の様な内容が「諸経費」に含まれています。

もちろん、会社によって内容が微妙に異なります。

改めて申し上げますが、当然「利益」も含まれていますが、現場を「円滑に且つ安全に進める」ための経費、「会社を存続させる」ための経費が、『会社諸経費』という事になります。

 

 

実際に私どもが『諸経費』を見積りする時の計算ですが、一物件に対し「図面を何部出して、コピー用紙を何枚使うか」などを計算すると、とてもではないですが非効率的です。

当然、同時進行で、その他の物件も進めていますので、どの物件で「事務所の電気代はいくら?」とは、計算できるものではないです。

ですので、基本的には工事金額の「割合」で記載する会社がほとんどです。

その「割合」は会社によってまちまちですが、一般的には、10%程度が一つの基準のようです。

ただ、お見積書の「諸経費」が、11%以上だからといって、「高額だ」とは一概には言えませんので、誤解のないよう捉えて頂けると幸いです。

夜間工事など特殊な場合は、この限りではありません。

あくまで、基準として10%程度です。

 

実際に見積書を作成する私どもでも「複雑」と思う内容です。

もっと簡単にできれば良いのですが、何百万円ものお金が掛かるのに、ペラッペラの見積書では、お客様自身が納得されないのでは?とも思います。

なかなか難しいですね。

 

業界全体の認識や仕組みが変わるまで、もうしばらくは今まで通りの見積書提出の仕方になりそうです。

 

 

見積書は、しっかりと確認した上で依頼されることをお勧めします

私たちリード・クリエーションの使命は、店舗を開業される方や既に店舗を運営されていて改装を希望されている方に、より良い空間を提供し、オープン後には「繁盛」して頂ける様にお手伝いをすることです。

店舗をつくるにあたり、費用(予算)というものが必須で、お打合せ等でよく聞かれるのが、

「○○くらいの広さで、いくらくらいかかりそうですか?」

という質問です。

質問者のお気持ちは、よーく分かりますが、基本的には即答できない質問です。

 

「内装業界あるあある」なのですが、安直に経験だけで「概ね〇百万円くらいにはおさまります」という方もいらっしゃるようです。

しかし、実際に工事を発注してみると、打合せ時に見過ごしていた箇所が見つかり追加工事が発生したり、オーナー様の考えが変わりデザインや材料の変更とか、床をめくってみると障害物が出てきた、などなど、工事には様々なトラブルやイレギュラーなことが発生します。

トラブルやイレギュラーが発生した際に、事前に金額提示もないまま、追加工事や追加の材料仕入れが進められ、工事完了後に追加の金額を請求されるなどして、揉めたり、不快な思いをされたケースを聞きます。

 

ですから、見積書の内容で「意味が分からない項目」などは、しっかりと確認をし、理解した上で工事を依頼されることをお勧めします。

私たちも、責任を持って見積書を作成して、説明責任をしっかりと果たして、納得して頂いてお店づくりをさせて頂きたいと考えております。

 

ご理解頂けると有難いです。

本日もご安全に。

 

 

 

 

 

 

 

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